債務整理

自己破産をするための条件は?

「借金が多すぎたら自己破産できない?」「借金が100万円以下でも自己破産できる?」「自己破産できないのはどういったケースなのか?」
このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

自己破産には「借金額、収入額による制限」はありません。また、家賃や光熱費、電話代などもすべて自己破産によって免除されます。

ただし「自力で返済できる方」は自己破産できません。また、浪費やギャンブルがあまりにひどい場合や、財産隠しをした場合などにも借金が免除されない可能性があります。

以下では自己破産できる条件について、弁護士が解説していきます。

1.自己破産の条件

自己破産は、どのような条件を満たす人が利用できるのでしょうか?

個人が自己破産手続きを開始する要件は「支払不能」です。支払不能とは、借入額、収支や資産状況からして、客観的に支払いを継続していくことが不可能な状態です。

支払不能かどうかは、単純に本人の収入額や借入金額だけではなく、本人が置かれた状況を全体的に見て個別に判断されます。

たとえば、1,000万円の借入があって毎月30万円返さなければならない状態で、収入が毎月30万円であれば支払不能と認められます。
一方、1,000万円の借入でも月々の返済額が5万円なら、収入が毎月30万円の方でも支払不能になりません。
30万円の借入額であっても、無職無収入で一切返済能力がなければ支払不能です。

支払不能かどうかはその人の状況によって変わるので、「借金額が〇〇円以上(以下)」「収入額が〇〇円以下」などの条件はないのです。

【以前に破産した人も破産できる】
「以前に破産したことがあるから2回目の破産は認められない」ということもありません。
前回の自己破産から7年以上の期間が空いていれば、2回目・3回目でも破産を認めてもらえる可能性はあります。

2.2段階の自己破産手続き

しかし、自己破産の条件がクリアされ、破産手続きが開始されても、必ずしも借金を0にしてもらえるとは限りません。
破産手続きが無事に済んでも、その後「免責」を受けられない可能性があるからです。

免責とは、破産者の負債を免除する決定です。破産申立をしても、免責許可決定を得られなければ借金がなくならないので意味がありません。

自己破産には「破産」と「免責」の2段階があり、そのどちらもクリアしないと借金を0にしてもらうことはできません。

(1) 破産とは

破産とは、破産者の資産と負債を清算する手続きです。具体的には、破産管財人が破産者の財産を換価して債権者へ配当します。配当が終了したら破産手続きが終了します。

ただし、破産者にほとんど財産がないケースでは、破産管財人は選任されず財産の換価も行われません。
破産開始手続き決定と同時に破産手続きが廃止される「同時廃止」となり、破産手続きは一瞬で終了します。

破産手続きを成功させるには、まずは「支払不能」であることを裁判所に認めてもらい、破産手続き開始決定を出してもらう必要があります。支払不能と認められなければ破産申立が却下され、破産は失敗に終わります。

管財事件になった場合には、破産者本人が破産管財人による換価や配当の手続きに協力し、破産手続きを無事に終了させる必要もあります。

(2) 免責とは

免責とは、裁判所が破産者の抱える借金を免除する決定です。
個人の場合、破産しただけでは借金はなくならず、借金を清算するためには「免責決定」をしてもらうことが必須です。

ところが、破産法には「免責不許可事由」があります。
免責不許可事由とは「該当すると免責許可を受けられなくなる事情」です。免責不許可事由に該当する事情があると、破産後も借金が全額残る可能性があります。

3.免責を受けられない場合

(1) 免責不許可事由に該当する事情

免責不許可事由に該当するのは、以下のような事情です。

  • 浪費
  • ギャンブル
  • 投機的な行為
  • 債権者隠し、一部の債権者への返済
  • 財産隠し
  • 裁判所に協力しない
  • 破産管財人の業務に協力しない
  • 以前の破産免責確定から7年が経過していない
  • 以前に給与所得者等再生の認可決定が確定してから7年が経過していない
  • 以前に個人再生のハードシップ免責許可決定が出てから7年が経過していない

上記を見ると、浪費やギャンブルなどで借金をした人は免責を獲得できないかのように思えますが、現実にはそのようなことはありません。
破産法は「裁量免責」という制度を認めているからです。

[参考記事]

自己破産で免責がおりない場合|免責不許可事由

(2) 裁量免責について

裁量免責とは、裁判所が破産者を巡る状況を見て、裁量的な判断で免責を認めてもよいとする制度です。

浪費やギャンブルがあっても、本人がしっかり反省していて「今回限りは免責を認めても良い」と裁判所が判断してくれたら、裁量免責によって免責してもらえます。

現実には、多少の免責不許可事由があっても、ほとんどのケースで裁量免責が認められます。
免責不許可事由に該当する事情があっても過剰に心配する必要はありません。

[参考記事]

ギャンブルによる借金でも自己破産できる?

4.自己破産以外の解決方法

破産が認められない場合でも、借金問題は解決できます。債務整理の方法は1つではないからです。

たとえば、支払不能の要件を満たさなくても、個人再生なら「支払不能のおそれ」があれば利用できます。
個人再生をすれば、借金を大幅に減額してもらえます。

また、任意整理は借金の減額幅は少ないですが、債権者さえ納得すれば他に何の条件も要りません。

個人再生にも任意整理にも「免責」のような制度はないので、浪費やギャンブルなどがあっても問題なく手続きを進められます。

5.自己破産で不安があれば弁護士に相談を

第一段階目(破産)の要件は「支払不能である」こと、第二段階目(免責)の要件は「免責不許可事由がない、もしくは免責不許可事由があっても裁量免責してもらえた」というものです。

反対に、支払不能の要件を満たさなかったり、免責してもらえなかったりしたら、自己破産は失敗してしまいます。

とは言え、自己破産をしようと考えたとき、ご本人には「できる」か「できない」かを判断するのは難しいケースが多数あります。
不安を抱えたときには、弁護士にご相談いただけましたら、弁護士が客観的に「破産できるかどうか」を判断してアドバイスいたします。

借金問題を解決するために大切なのは、正確な知識をもって早めに適切な手続きを開始することです。どのような状況でも解決手段はあります。

まずは一度、泉総合法律事務所の弁護士までご相談ください。

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