刑事事件 [事例6]

目の前を歩いていた若い女性に対して、スマホで盗撮し逮捕

40代男性
罪名結果
盗撮 不起訴

背景

その日、Aさんは、仕事帰りに自宅の最寄り駅の近くで、若い女性が前を歩いているのに気がつきました。ちょうどスマートフォンを手に持っていたこともあり、思わず盗撮行為に及んでしまいました。

その状況を一部始終見ていた近くにいた男性に、呼び止められ盗撮行為について問い詰められました。
しかし、Aさんは動揺のあまり、とっさに盗撮行為を否定してしまいました。

その後、Aさんは逮捕されてしまいましたが、後に釈放され、奥さんとともに今後の対応について相談に来られました。

対応

Aさんは、被害者に不快な思いをさせたことを大変反省しており、示談を希望していましたので、弁護士から検事に確認を取り、被害者の連絡先を入手し、示談交渉を行うことにしました。

被害者は、Aさんと同じ最寄り駅を利用していたことから、再度の接触を心配していました。
そこで、Aさんには、被害者を詮索しないことや、仮に駅などで見かけたとしても、決して声をかけたりしないこと、今後はスマートフォンを手にもって歩かないことなど、再発防止に向けた具体的な内容について約束してもらいました。

また、Aさんは、初めて逮捕され、留置場での厳しい生活を体験したため、もう二度と同じことをしないと心に誓っていました。そこで、反省を被害者に伝えるため、留置場での体験などを踏まえた謝罪文をAさんに書いてもらい、被害者に手渡しました。

結果

結果として、30万円で示談が成立し、Aさんは不起訴となりました。

直接加害者が被害者に謝罪できない場合、反省の気持ちを伝えるのは容易ではありません。加害者が本当に反省しているということを理解してもらうためには、示談金だけではなく、示談書に入れる各種誓約事項、謝罪文の用意などが考えられます。

謝罪文の中には、仮に加害者が逮捕された事案であれば、その実体験を踏まえての謝罪や再犯防止の誓いを文章にすることで、被害者に気持ちが伝わることもあります。
本件も、そのような具体性のある謝罪文から、Aさんの気持ちが伝わったのではないでしょうか。

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